自由帳

記録とリハビリのための散文

過去と決別しよう

ヒモを飼ってた時の話でもするか

私の双極性障害とボダが顕になったきっかけである人物、ヒモ。

Twitterで知り合って公園で酒飲んだり水タバコを吸って機嫌よく遊んでたがノリで付き合う事になった。その時彼は無職で私は新卒で作業所の職員をしていた。
平日は仕事に行って夜は通話しながら寝て土日遊ぶという暮らしをしていた気がするがもう5年も前の事なので記憶がおぼろげ。
ある日いつものように通話してたらヒモの様子がおかしい、電話に出なかったり繋がったと思ったら上司と遊んでるだの友達と遊んでるだの言ってる事がコロコロ変わる。気のせいだろうと思い、たしか明け方仮眠を取って仕事に向かった。
休日になってヒモのTwitterを見てみて驚いた。彼は私の知らない間にフォロワーの女の子とODしてセックスしてる様子を音声で配信していたらしい。
信じられなかった。
「交遊費全額払って浮気されてセックス実況された?なぜ?なんか悪いことしたっけ?」そんな事をぐるぐる考えていた気がする。
ヒモに問い詰めた。何があったか言ってみろと。

ヒモはデパスをくれると言うからついて行ったらODさせられて記憶がない、配信していた事も知らなかったと言い泣き始めて女にリスカされてた。って腕を見たら猫が引っ掻いたような傷が何箇所かあった。
アホか。自業自得じゃ!と思って普段なら切り捨てるパターンなのに、周りの人間がネットの掲示板でヒモを叩いたり連れ込んだ女が強姦で被害届出すと言い出して私はバグってしまった。
「ヒモを守らないと!私だけはヒモの味方になる!」
この時の自分を殴り倒したい。

それから同じようにODしてリスカされた男を見つけて薬事法違反や傷害で訴えられるか?ヒモの私物も家にあったり個人情報を配信されてたのでとりあえず警察相談する?っと動こうとしていた。

その矢先に 女の子は自殺してしまった
配信で実況しながら息を引き取った

怒りの矛先はヒモに向かった。金払わせてた事も浮気した事も彼女が死んだ事もお前のせいだと言いながらその時はもう焦燥しきってこんな事は一人で抱えきれないとヒモと離れられないようになっていた。
浮気が発覚してからヒモの監視をしながら働いていたがそれも限界になってパキッて職場に行ったり急にヒモを殴ったり一晩中泣いたりして新しい環境でとても働ける状態ではなくなっていた。半月ほどネットカフェで寝泊まりして、もう駄目だと思って「退職します。」と連絡して書類の整理をした。
ブラックだったけど好きな職場だった。働いて半年しか経ってなかった。

実家住まいで趣味もほとんどない私は半年でまぁまぁ遊べるほどの貯金があったがそれもすぐに底を尽きた。大人2人が遊んで寝泊まりしてたらそうなるわな。
もう金が無いと思った私は夜職をしようと思いついた。自殺した彼女は夜職一本で暮らしててメチャクチャな人だったけどあの人でもできるなら私でもできるだろうと。ヒモに対する当て付けでもあった。ここで頑張ってくれるなら彼とやり直そうと面接に向かおうとした。
けど彼は止めなかった。

1ヶ月真面目に働いたらそれなりの額が手に入った。デパスかブロン飲んで働いて疲れきって仕事終わりにはヒモを監視するために一緒に過ごしてまた仕事に行って…を繰り返して数ヶ月過ごしたがほとんど記憶にない。
たしかこの頃から夜中眠れなくなった。
夜になってウトウトするとヒモの支離滅裂な電話を思い出す。ああ、今からセックス配信するのか…今からあの子が死ぬのか…今から…
その度に叫んで、頭を殴って"今の自分"に戻る作業をした

まぁ、PTSDになってた。

ヒモとの暮らしは半年ほど続いた。その間に旅行も海も花火も行って婚約して普通のカップルのように過ごしながらパニックになったり、ラリったらヒモを殴ったり自傷したりODしてやり過ごしてたが、ある日ヒモが殴り返すようになった。
あらゆる暴言と暴力に耐えかねたんだろう。
とにかく覚えてるのは血塗れの自分とヒモと割れたお皿が散らばってる光景。
もう一緒に居られないと思ってヒモに別れようと言ってある人に連絡を取った。

自殺した彼女の最後の恋人だ。
からしたら恋人なのかどうかも怪しいけども、最期まで看取った人(Xとする)だ。
とにかく彼女の死もヒモがやった事も共有できる人がよかった。

彼女が最期に関わった人達はほぼ把握していたので、ふざけてメッセージを送っていたが、ある日このままじゃ私が死ぬと思って助けてほしいと連絡したら彼はすぐにやって来てくれた。
彼女が死んだ事を誰よりも悲しんでたXだから、自殺を仄めかせば来てくれるとわかってた。

私はもう人生がどうでも良くなっていたのでXに付き合おう!と言った
「ヒモの浮気相手の元彼と付き合ったドラマみたいで面白そう!」断られると思ってたらその日の夜に別にいいけど…とOKが出た。お前頭大丈夫か?と思いながら楽しくなって次の日は普通に仕事に行った。

とまぁ、そんな感じで、Xと付き合うようになってヒモと連絡を取らないようになりヒモとの恋愛は終了しましたとさ。
ヒモといるのは楽しかったけど職も金も気力も失って病気になって、それほどの対価がいる時間だったのか?と言われると難しい。でも今まで他人にそれほどエネルギーを費やした事がなかったから新鮮だった、という事にしておこう。

もう彼女が死んでから5年も経つんだな。
命日が近づくにつれて心臓がバクバクしてたけど年々それもおさまってきた。
死んで時が経てば経つほどネットで彼女の名前を出す人は減っていって、今はもう誰も彼女の事を知らない。
人はこうやって消えていくのか。
私もそうなんだろうか?
私は私が死んだ時のために記録しておく

ではまた